児童虐待をやめたいのにやめられない。そんな悪循環から抜け出すには。

令和になってからも連日、児童虐待に関するニュースを目にし、罪のない子供達の尊い命が奪われてしまうことに憤りと何もできなかった無力さを感じています。

 

ですが、ただ非人道的に児童虐待を繰り返している親だけでなく、本当は虐待をやめたいのに一時的な感情のコントロールができずに虐待を繰り返してしまったり、誰にも相談できずに悩んでいる人もたくさんいます。

 

そんな、子供も親も苦める児童虐待の悪循環から抜け出すにはどうしたらよいのでしょうか。

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【目次】

 

やめたいと思ったら知ってほしい児童虐待の罪の重さ

児童虐待をやめたいと少しでも思う事ができたら、児童虐待から抜け出せるチャンスです。

児童虐待がどれほどの重罪なのか。自分がどれほどの過ちを犯してしまったのかをまずは把握しましょう。

 

日本での児童虐待関係の法則

日本で児童虐待に関する法律は、児童福祉法児童虐待防止法、刑法の主に3つあります。

児童福祉法

児童福祉法の第三十四条には、児童保護のための禁止行為が規定されております。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/tuuchi-01.pdf

 

その中には「児童に淫行をさせる行為」も含まれており、性的虐待がこの禁止行為に当たる可能性があります。

同法六十条には「第三十四条第一項第六号の規定に違反した者は、十年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」という罰則も規定されています。

 

児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待禁止法)

 

児童虐待禁止法は児童虐待について規定されてはおりますが、児童虐待行為自体への罰則は設けられておりません。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv22/01.html

 

罰則は第十七条の「第十二条の四第一項の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。」のみで、

第十二条の四第一項とは児童虐待により施設に入所している被害者の子供と加害者である保護者の接近を禁止する規定です。

 

・刑法

よくニュースで取り上げられている児童虐待は、刑法にあたることが多く、保護責任者遺棄致死罪や暴行罪、傷害罪で逮捕されるケースがほとんどです。

また、例え実際に暴行を行っていたのが父親だけだったとしても、母親も共同正犯や証拠隠滅罪に問われる可能性が高いです。

 

児童虐待の中には、母親も夫からのDVを受けているケースが少なくありませんが、それでも母親は被害者ではなく加害者になってしまうのです。

少しでも児童虐待をやめたい、やめさせたいと思ったら子供を守ることを最優先に考えてください。

 

欧米諸国での児童虐待関係の法則

海外では、児童虐待に関する法律が日本よりも厳しく規定されております。

 

例えば、子供(12歳以下)を1人で留守番させたり、子供を1人だけで街を歩かせる行為だけでも児童虐待にあたり、逮捕されることがあります。

また、スーパーで買い物中に子供がぐずったから軽く叩いただけでも通報されてしまうケースも少なくありません。

 

日本よりも早い段階から児童虐待問題に取り組んでいる欧米諸国を見習い、日本の児童虐待に関する法律もどんどん厳しくなってくることが予想されますし、私も厳罰化を望んでおります。

 

児童虐待の加害者は被害者でもある可能性が高い

児童虐待の加害者は実は被害者であることが多く、子供だけでなく親の心のケアも必要不可欠です。

 

親から子へ、繰り返される児童虐待

児童虐待をしている加害者の中には、自分も幼少期に親から虐待を受けていた人が約3割ほどいると言われています。

幼少期に辛い思いをし、自分が親になったら絶対に虐待なんてしないと誓っても、負の連鎖は起こってしまうのです。

 

幼少期に親から虐待を受け、自分も虐待を繰り返してしまう人の多くは、虐待をやめたいと悩むこともなく、「自分もこうやって育ったから虐待ではなくしつけなんだ」と思ってしまうことが多いようです。

 

母親がDVを受けていると児童虐待の危険性が高まる

児童虐待には、母親が父親にDV(家庭内暴力)を受けていると、子供も虐待を受けているケースが多いという実態があります。

東京都の調査では、父親から暴力を受けている母親の約8割に子供がおり、その内、父親から子供への虐待(身体に対する暴力)は約4割あるといいます。

http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/danjo/dv/files/0000000646/dvhandbook2019small.pdf

 

父親(配偶者・恋人)からの虐待をやめさせたい。父親に従うがために自分も子供にしてしまう虐待をやめたい。と思っている母親が多いようです。

ただ、DVの腹いせで母親が児童虐待に及ぶことも多く、子供は両親から虐待を受けることになってしまいます。

 

そういった場合には、その環境から直ちに離れることが重要となってきます。

 

児童虐待をやめたいと思ったらプライドを捨てる

児童虐待を本当にやめたいと思っても、自分だけで解決しようとしても解決できる確率は0%に近いです。

児童虐待をしてしまう人の中には、プライドが高かったり、会社では静かで真面目という人も少なくありません。

会社にバレたらどうしようとか他人にどう思われるかというプライドを捨て、第三者に相談することが児童虐待をやめる近道なのです。

 

やめたいと思ったら祖父母や友人など身近な人に相談

児童虐待をやめたいと思ったらまずは親族や友人などの身近な人に相談してみましょう。

ただ、児童虐待を行う親の多くは自分の親から幼少時代に虐待されていた人も多く、そういった経験のある人は祖父母に相談するのは注意が必要です。

 

友人などに相談することで、良いアドバイスをもらえる可能性もありますし、友人から専門家への相談を促してくれたり、相談後に友人が気にかけてくれるようになることで、虐待の緩和になるかもしれません。

また、保育園の先生に相談するのもいいでしょう。

一度相談しておくと、保育園に預けた際に不自然な痣がないかをチェックしてくれて、なにかあった際には通報してくれる可能性もあります。

 

本気で児童虐待をやめたいなら「189」に電話を

「このままでは我が子を殺してしまうかもしれない」など、本気でやめたいと思ったら児童相談所全国共通ダイヤルの「189」に電話をかけてください。

住んでる地域の児童相談所に自動で転送され、電話相談をすることができます。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/gyakutai/

 

相談内容の秘密は守られますし、専門家の判断で子供の一時預かりなど、次のステップに進むことができます。

 

子育て支援を行っている団体もチェック

児童虐待の相談だけでなく、様々な子育て支援を行っている団体も把握しておくと、虐待以外の悩みも相談することができます。

 

例えば日本ららばい協会では、児童虐待防止のイベントだけでなく定期的に子育てに関する講習会や子供と楽しめるコンサートを無料で開催しています。

 

こういった場所に子供と一緒に行ってみることで、他の親子の関わり方を見ることができたり、我が子が愛おしいと思える瞬間に出会うことができるかもしれません。

 

児童虐待をしていた過去があっても、やめたいと思えたところから行動し、現在では子供と一緒に幸せな家庭を築けている事例も存在します。

少子化といわれている日本で産まれた貴重な命を1つでも多くなくさない為に、相談する勇気を持ちましょう。